トンボが飛んでいる
彼岸花が咲いている
畦道のクコのしげみは
少しすいて見えるよ
だらだらと
畦を下っていくと
乾いたたんぼの
ぽくっとしたくぼみに
タニシの殻があった
川のほうに歩いて行くと
堤防にはススキの穂の城壁があって
その隙間から
収穫後の静かな川の流れを
垣間見ることができたのに・・・
オシロイバナの大群落の下に
ひっそりと赤い花はあった
申し訳なさそうに
その花は咲いている
畦道には軽トラックの轍
ほんの少しだけ
その花の子孫は
必死につながる世紀へと
命をつないでいる
土手のサクラの葉っぱは
この暑さで大繁殖した
ケムンパスさんに
その大抵を召され
すっかりぼうずになっている
それでも心配は要らないよ
ちゃんと春には
また僕たちを
しっかりと楽しませてくれるから
サクラの木は
そんなに柔じゃないんだ
彼岸花もね
でもやっぱ
そんなふうなのは
なんかおかしいなんて
ゆでがえるのぼくたちが
はやくいわないかなんて
そんな優しい気持ちで
なんとかするまで
ひっそりとでも
咲いていてくれるのかもしれないよ
咲いていてくれるのかもしれないよ
